ブラック校則は廃止できる? ~ニュースを例に考える、新しい学校の変え方~

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<strong>森岡</strong>
森岡

神奈川県在住 30代社会人
容姿きっかけで部活でいじめられ、中学二年から卒業まで不登校を経験しました。

不登校の経験をプラスに変えて、気楽に人生を過ごしてもらいたい。
自分の経験を今困っている不登校生と保護者に届けたいと思い、不登校支援を始めました。
不登校経験者へのインタビュー、コラム記事の執筆を2年以上続けています。

ブラック校則」という言葉を聞いたことはありますか?

2021年頃から話題になった、主に中学校、高校に存在する常識的におかしな校則のことをこう呼びます。

そんなルールは変えればいいじゃないか、と思うかもしれません。

しかし、子どもたちは今まで大人に、社会に対して何かを働きかけて、変えることができたという経験が無かったらどうでしょうか?
成功体験のない子どもたちは、果たして自分から声をあげられるのでしょうか?

今回は、いまも学校に残る「ブラック校則」という理不尽なルールについて。
生徒たちから声をあげにくい原因の考察から、思いを声に出すことで、実際学校を変えた事例を紹介します。

髪色が黒以外だと不良? 〜”地毛証明書”は本当に必要か〜

いくつかの都立高校では、頭髪が乱れている=不良である という固定観念を理由に、「地毛証明書」の提出が求められています。そもそも「地毛証明書」とは何でしょうか?

地毛証明書は、学校側が染めているように見える生徒に「染めていない」ことの証明を求めたものです。

「地毛証明書」に「頭髪届」。これ、どんな時に出す書類だかわかりますか?
都立高校で髪の毛が黒以外の色やくせ毛の生徒が、地毛であることを証明するために学校に提出するものです。
引用元:「地毛証明書」に「頭髪届」 都立高校の4割余りで提出求める | NHK

素行不良生をあぶり出すためのルールが、そうでない普通の生徒に心労を負わせています

「地毛証明書を出す理由があやふやだし、なくなったら無駄な悩みも減るし、ないのが一番理想です。そもそも自分の髪の色を否定されるような感じになります。納得できる答えをくれないまま『社会に出たときに通用しないよ』と言われても、社会に出たことがないので何も言えなくなります」
引用元:「地毛証明書」に「頭髪届」 都立高校の4割余りで提出求める | NHK

森岡
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他人と比べて地毛の色が違うだけで、素行不良を疑われるのは理不尽ですよね。

ちなみに私は幼少期から病気を患い、スキンヘッドで生活しています。にも関わらず、学校や組織から「ファッション感覚」でやっていると疑われたら、確実に嫌な気持ちになると思います。

そもそも、不良生徒は金や茶髪に染めたり、派手な髪型にしている、といった固定観念も古いものになりつつあるのかもしれません。

「この頭髪指導が機能する前提として、「髪の毛が明るい=不良の始まり、グレている証」と考えることになります。
髪が明るいのは「グレている証」と考えられている社会で、地毛が明るい子は、学校で、地域社会で、どんな周囲の目にさらされて生活するのでしょうか。
引用元:地毛証明書は「茶髪えん罪」を生む? 「髪が明るい=グレ」という価値観のおそろしさ – 弁護士ドットコム (bengo4.com)

「地毛証明書」の提出のような、一般生徒に辛い思いを強いる「ブラック校則」は、
下記ニュースで紹介されているように、各地に存在することがわかっています。

真冬の登下校でのコート着用禁止

「先生はコート着てるのに…」 校則で着用を制限するワケ | 毎日新聞 (mainichi.jp)

他校の生徒と交流禁止

【独自】「他校の生徒と交流禁止」東京・江戸川区の中学校の“謎ルール”。きっかけは20 年以上前の「暴力沙汰」 | ハフポスト NEWS

ツーブロック禁止・下着の色指定

【解説】“ブラック校則”見直しへ 「ツーブロック禁止」「下着の色指定」本当に必要? (日テレNEWS) – Yahoo!ニュース