こんにちは、森岡です。
皆さんは2021年放送の土曜NHKドラマ、『ひきこもり先生』をご存知でしょうか?
『ひきこもり先生』は、佐藤二朗さんが演じる上島陽平が主人公です。彼は元ひきこもりでしたが、周りの協力を受けながら社会へと復帰していく中で、不登校になってしまった中学生たちと非常勤講師として関わり、彼らが抱える問題に向き合うお話です。
シーズン1は全5話構成で、NHKオンデマンドで見ることが出来るほか、再放送もされています。
また、2022年12月17日・24日にシーズン2の放送が決まっています。不登校に関心を寄せる方は、ぜひご覧になってください。
土曜ドラマ「ひきこもり先生シーズン2」制作開始のお知らせ – NHK
今回は、第2話「ようこそ!STEP(ステップ)ルームへ」のあらすじと、
前回に引き続き「子供にとって何が一番幸せか?」というテーマで考えてみました。
『ひきこもり先生』2話あらすじ
2話は、南出凌嘉さん演じる坂本征二が学校に復帰するまでのお話です。
征二の両親は事実上の離婚状態であり、別居しています。事故をきっかけに自暴自棄になってしまった父親と、息子の征二の関係を描くところから、物語は始まります。
征二の父親は、スクールソーシャルワーカーから、「奥さんとやり直すか、離婚して生活保護を受けるか」の二択を迫られます。それを選ぶことはつまり、現状を受け入れることに他なりません。
父親は、どちらも選ばずに拒絶してしまいます。
一方、征二と知り合った陽平は、彼の両親に会いに行きます。
「色々あるのは理解している。それでも子どものために親でいて欲しい」と訴えかけます。
陽平は、自身が離婚するときに親権を取れませんでした。娘は元妻についていくことになり、親子の繋がりが断たれてしまった経験をしています。
陽平は親子が引き裂かれる辛さを知っていた。だから彼は、同じ経験はさせまいと征二の両親を説得したのでしょう。
陽平の両親へのアプローチが、家族に転機をもたらしました。両親は別居したままですが、自分の事で精一杯だった以前とは変わって、再び子どもに目を向けるようになったのです。
父親は、家族で食卓を囲んでいたとき、征二が笑顔だったことを思い出し、食材を買ってきました。
母親は、征二が必死に走る写真を見て、過去を思い出し、涙を流しながらも嬉しそうな表情をします。
こうして、各々が「子どもの幸せ」を再び考えるようになった……
以上が2話のあらすじです。
『ひきこもり先生』がドラマ形式でよかった理由
『ひきこもり先生』は不登校をテーマにしたドラマです。
ドラマは現実とは違い、複数人の視点でストーリーを描くことができます。
2話はこの特徴を活用し、不登校に関わる人々が抱える事情を描いています。
- 征二の父親は、事故の後遺症で仕事が出来なく、自暴自棄になってしまっている
- 母親はその父親の姿に愛想をつかし別居していて、離婚直前の状態
- スクールソーシャルワーカーは征二の母親に「子供を持たないから親の気持ちが理解できてない」と言われ、ショックを受けてしまう
- 征二は両親に板挟みにされて苦悩するも、また幸せな家族に戻ることを夢見ている
……など。
それぞれの視点から、現状に苦しんでいる様子が描かれています。
大人たちが身動きを取れなくなっているもどかしさと、板挟みになる子どもの姿が、ドラマ形式で描かれることによって、より理解しやすくなっています。

